介護現場に多い「バーンアウト」対策マニュアル

介護士にも多い「バーンアウト」とは

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バーンアウトとはどんなものか

「バーンアウト」とは何か

バーンアウトは仕事などひとつのことに精力的に打ち込んできた人がストレスや心身の疲労によってその事柄に対する意欲をなくしてしまい、無気力な状態になることです。突然火が消えたような状態になることから「燃え尽き症候群」とも呼ばれています。
元々は、アメリカの精神心理学者ハーバート・フロイデンバーガーが1970年代に提唱した概念のことで、当時は接客業など直接顧客とコミュニケーションをとる仕事に従事している人が陥りやすいといわれていました。それから50年以上経った現在では、接客業だけでなく医師や看護師、介護士などヒューマンサービスの現場で働いている医療・福祉業界の人にも症状が出やすいといわれています。

「バーンアウト」とは何か

なぜ医療・福祉業界の人に多いのか

まず考えられるのは、医療・福祉業界で働いている人たちは自分よりも相手の気持ちに配慮して行動していることです。患者や要介護者、同僚や上司といったように多くの人と関わっていますが、常に相手の気持ちを慮り自己を抑制しています。そのような対人関係ではストレスが溜まりやすいため、バーンアウトしてしまう人が多いのでしょう。
また、医療・福祉業界の仕事は人の命を預かることになるため責任重大です。その重責からストレスを感じやすい反面、数字のように明確な達成基準はありません。患者や要介護者、その家族からの感謝の気持ちや役に立ちたいという想いをモチベーションにして努力しているのです。しかし、成果は目に見えないため一生懸命ケアをしても報われないこともあります。そのようなことが重なると達成感が得られずモチベーションが下がってしまうため、バーンアウトしてしまうのでしょう。

なぜ医療・福祉業界の人に多いのか

どのような症状が現れるのか

バーンアウトといえば「意欲がなくなる」「無気力になる」などの症状を思い浮かべる人も多いことでしょう。近年はさまざまな研究が進み、バーンアウトにはMaslach Burnout Inventory(MBI)と呼ばれる尺度があることがわかりました。これによると、バーンアウトの代表的な症状は精力的に仕事に取り組みながらもそれに見合った成果が得られず疲れ果ててしまう「情緒的消耗感」、情緒的なエネルギーがなくなるため自分を守るために問題が起きてもすべて他人のせいにしたり、他人の悪口が増えたりする「脱人格化」、脱人格化で周囲とのコミュニケーションが困難になり仕事の質や成果が落ちてしまう「個人的達成感の低下」の3つとされています。

どのような症状が現れるのか

環境を変えるのも良い方法